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就活奮闘記 vol.13

どんな留学をしたか?また、留学でどんな成長を手に入れたか?

海外出張が留学のきっかけ!
全く海外に興味が無かったというO.Tさんは、海外生活へ興味を持たせてくれたのが業務を通じてのインドネシア出張だったそうです。現地では豪雨が長期降り続いたことにより周辺の道路も含め工場が冠水してしまった事で、災害復旧支援作業として渡航されたのでした。単独での渡航ではなかったものの、現地作業者との共同作業時は日本人はO.Tさん1人に対し現地作業者10〜15人。日本に居る時でさえそんなにたくさんの作業者と一緒に同じ作業を進めた事も無く、ましてや作業者ではなく監督者として現地へ送り込まれたそうです。O.Tさんは、初めての海外出張に対しての準備期間は無く、どこに行かされるかも何も聞かされていませんでした。当然、仕事現場ではお互い言葉は通じません。O.Tさんは、このままでは、相手にも失礼だし、自分も何をしに来たのかわからなくなってしまうと考え始め、身振り手振りのジェスチャーと辞書を片手に単語だけの会話で何とかその場は乗り切りました。そのとき感じた事は、言葉が無くても意外と通じるもんだなぁ...ということだったそうです。
日本以外の事も知りたいと留学を決心する!
しかし、帰国前から次回以降も別の仕事での渡航の可能性がある事を告げられたのでした。仕事はどこに行こうと同じではあるが、日本以外での仕事である以上、最低限のコミュニケーションを相手の母国語でとれるようになりたいと、独学でインドネシア語を学び始めたのです。勉強嫌いだったというO.Tさんは、コミュニケーションをとる為の手段として、どこの国でもその国の言語の習得は必要不可欠だと覚悟を決めたのでした。
何度か渡航を重ねるうちにお互いが打ち解け合う事が出来、冗談も言い合えるようになりました。
自然と笑顔も増え、また、同じ国の同じ街、同じエリアにしか居なかったにも拘らず、日本に無いものがたくさんある事に気付き、日本しか知らない自分よりも日本以外の事も知っている自分になりたいと思いはじめ、海外に出よう!!と決心したのです。
「何とかなる自信」から「焦り」へ
これまで英語圏ではない仕事先では身振り手振りで何とかなった自らの経験から、ワーキングホリデーで英語圏(ニュージーランド)に渡航しても、きっと同じように何とかなると自分に自信があったそうです。

ところが、そんな自信は長くは続かず、1ヶ月位経過した頃から次第に焦りへと変わっていったのでした。渡航時から語学学校に通っていましたが、自分の語学力の無さに焦れば焦る程、結局身に付かず、周りとの実力差は開く一方でした。
外国人とつなぐ接点を発見する!
そんな海外生活の中で外国人とつなぐ接点を、趣味のスノーボード(スポーツ)に見出だす事が出来たのです。国籍や育った環境は違えど、共通の趣味を持ってる者同士がお互いに興味を持つ事で、足りない語学力を補ったり、またお互いの意識を高め合ったりする事が出来ることを確信したのです。 その時までは【外国人との接点=言語】の比重が大きかったのですが、ここでやっと、外国や外国人との接点は言語以外の接点もたくさんあると気づき、渡航時にあった自信を取り戻せた気がしたと当時を振り返ります。
ワーホリ後は東南アジア諸国で力試し。
その後、目的の1つでもあった旅をしながら、国内各地を転々としながら、当初、帰国予定であった3月には、企業側がキャリア採用の募集をする事は稀であると、インターネット等を通じて情報収集した上で判断し、visaの延長(3ヶ月)を視野に入れ、visaの延長条件を満たす為に職探しを開始します。(ニュージーランドではある条件下で3ヶ月以上労働した事と帰国に十分な資金(または航空券)を所持している事を証明出来る場合に限り3ヶ月間の延長が可能。)

「延長出来なければ、後がない!」くらいの強い意志を持ってあちこち飛び回りました。無事にvisaの延長を獲得後、出会った人達にも影響され、自分の力試しの意味も含め、帰国する前に他の国にも行ってみようと決め、ニュージーランドからオーストラリア,シンガポール,マレーシア,タイ,ラオス,ベトナム,カンボジアの東南アジア諸国を出たり入ったりしながら最後はフィリピンへ入国し、約3ヶ月間(計18ヶ月間)の旅を終え日本に帰国しました。
海外は、語学力だけでは不十分、語学無しでも不十分・・・されど。
そこでの出会いの接点も英語(ことば)であったり、スポーツ(特にサッカー)だったそうです。
ワールドカップ2010南アフリカ大会が終了して間もない頃であったので、東南アジアの人々は日本チームや日本人サッカー選手の話題で持ち切りでした。海外では、語学力だけでは不十分だし、語学無しでも不十分。何事も出来るに越した事はありませんが、たとえ不十分であったとしても、それを補うだけの何かを誰もが持っている。様々なところに目を向けアンテナを張り、興味を持ち、体験、実践する事でその何かに気付く事が出来たり、新たな発想が生まれる事が海外生活で学んだ点です。

帰国後の希望(どんな会社へ入社を希望されてましたか?)

渡航時は業種にこだわりは無く、日本と言う枠に捕われない企業を希望されていましたが、ワーキングホリデーが終了した後に訪れた国々で、日本の技術(特にインフラ)は世界に必要不可欠であると実感し、そのような分野に携わり、日本だけでなく世界に貢献したいと思い始めたそうです。

どんな就活をしたか

ACTION1:渡航前、渡航中にインターネットで企業の絞り込み。
渡航前、渡航中は、主にインターネットで転職サイトや企業ホームページを通じて業界の絞り込みをしていました。
ACTION2:帰国後は、履歴書や職務経歴書の内容の再確認。
帰国後には自分が進みたい業界がほぼ決まっていたので、その枠の中での職探しをしました。就職活動資金を稼ぎながら模索します。同じ資金稼ぎをするにしても、出来るだけ同業界異業種であったり、今までとは違った立場から物事を捉える事が出来るものに挑戦しました。製造業と言っても幅広いため、食品製造業で働く事で、食品製造現場での安全,環境や設備面についても知る事ができたし、趣味でやっているスノーボードもスキー場の従業員として働く事で、客と言う立場ではなく、客を受け入れる側としての経験を職探しと並行して行いました。

一方で転職サイトのヒアリングにも参加し、情報を提供する側の声を聞いた事もあったそうです。その中で吟味しながら、1社1社絞り込んで、自分が興味を持った企業に履歴書や応募フォームを送信もします。

(参考)
応募:8社 書類選考通過,履歴書送付:6社 採用試験:4社 最終面接:1社
※辞退含む。
※活動しながら感じた事は、自分が企業に求められている人物像にマッチするかどうか??
その上で、自分がやりたい事ができる環境に置かれるかどうか??

どんなところに就業したか?

株式会社ブリヂストン。言わずと知れた世界最大のタイヤメーカー。O.Tさんは技術センター/開発工場内電気設備保全業務を担当。ブリヂストンは高い技術力で常に世界をリードし、グローバルな事業展開で世界のトップブランドとして走り続けています。ミシュラン、グッドイヤーと世界市場を分かつまでに成長したブリヂストンは、世界最大級のタイヤ・ゴムメーカーとしての揺るぎない地位を確立。世界に広がる販売ネットワークを強みとして、お客様一人ひとりに合わせたきめ細かな販売・サービス活動を展開しています。

これから渡航する人と仲間に一言

最後にO.Tさんより、これから海外へ挑戦する人たちへ向け、熱いメッセージをもらいました。

一人一人渡航の目的は違うと思いますが、どんな事も楽しむ事。これが一番だと思います。そして、興味を示した事に対しては結果を恐れずどんな形でも良いから挑戦してみる事。やった事が無いんだから失敗して当たり前。最初から何でも出来る人なんていませんから、自分自身に自信を持ってください。今現在、どんな些細な事でも出来る人は最初の1歩を踏み出したのが少し早かった(挑戦した)。行動に移した結果です。

その1歩を踏み出せば、あなたも必ずその域に達する事が出来るでしょう。
しかしその1歩を踏み出す事がなければその域に達する事は有り得ません。
はっきり言って嫌な事を避けながら進む事もできますが、嫌でも果たさなければならない事、超えて行かなければならない壁はたくさんあります。いつか超えると心に決めた壁。早いに越した事はないでしょう!!!

そして海外には日本に無い物がたくさんあります。
人・物・文化・自然・遊びなど.....
見た事も聞いた事も無い物に興味を示さずには居られない。また写真や本,テレビや映画でしか見た事が無かった物に出会う事も。それが海外生活の醍醐味だと思います。

帰国後に不安を抱える方も居ると思います。
就職活動に限って言えば、自分がどんなカード(アピールできるポイント/武器)を持って帰国するかが重要だと考えます。語学力だけではなく、海外生活を通じて成長した自分が手に入れたカードを自信を持って出す事です。
外国に出た事が無い人には分からない物、分からない事をあなたは知る事になるのですから、それだけでも2歩も3歩も差が付きます。

きっかけは違うかも知れませんが、海外生活に興味を持っていると言う点では私も皆さんも同じです。帰国後の自分が思う事は『あの時、海外出張に行ってなかったら今も同じ職場で働いていて、同じ事を繰り返して、無駄に時間が流れて、渡航前と何にも変わっていない自分がここに居るなぁ....』と。
海外に出る前までは外国=特別、遠い存在と言うイメージがとても強かったのですが、今はそれが完全に崩れ、"日本"と言う枠に捕われなくなりました。帰国後も短期ではありますが違う国(韓国,香港,マカオ)へ旅行に出たりと完全に"ボーダーレス"になりました。

人事からのワンポイントアドバイス

1つ目は、仕事を正しい順序で探していたこと!

仕事が成り立つ条件はふたつ。一つは、ある仕事やサービスを期待する人がいること。二つ目は、それを提供できる能力がある人がいること。

仕事を選ぶとき、やりたい仕事を探すことは決して間違いではないが、
まずは、自分に何ができるか、どんなことで貢献できるかを考えることはとても大切な視点だ。O.Tさんは、自分が企業に求められている人物かどうかを考え、その上で自分がやりたい環境に置かれるかを念頭に置き、就活をしていた。まさに仕事探しのポイントとしては的を得ている。

2つ目は、帰国後に持ち帰れる自分の強み(武器)作りを常に意識していたこと。

今の時代、ただ留学、ワーホリしてました、では企業にはアピールになりません。
面接のときには、海外生活中、どんなことをして、そこから何を学び、どんな成長ができたのか、それを企業でどう活かそうとしているのかを自分の言葉で語れることが大切だ。O.Tさんは海外生活中、常に自分の強みや成長を意識し行動をしていたこと。

3つ目は、自立していたこと。

O.Tさんは、人に頼らずに常に自分で物事を考え、黙々と就活に挑んでいたこと。
「エストレリータのプログラムに申し込みしたのだから、エストレリータが仕事を決めてくれるのは当たり前!」などという人任せの発想とは全く無縁のO.Tさん。
そんな自立した姿勢で就活に臨めば、面接官にもその姿勢は十分に伝わるもの。そんな自立したO.Tさんだからこそ一流企業の就職を勝ち得たといえる。就活エージェントはあくまでも伴走者だということを今一度確認して欲しい。