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就活奮闘記 vol.9

どんな留学をしたか?また、留学でどんな成長を手に入れたか?

留学の目的

Eさんは、以前からいろんな国の人と知り合いになり、コミュニケーションをはかりたいという希望を抱き、2009年9月からカナダへ一年間のワーキングホリデーに参加しました。そもそも外国人と会話をしたいと考えるようになったきっかけは、当時勤務していた薬局に外国人がしばしば来店したことから始まります。当時、そのお店にはEさんを含め、誰も英語を話せる人がいなかったので、会話をすることもできずに、たいへん悔しい想いをされたのだそうです。そのときに、きちんと英語で説明できるようになりたいと強く感じたといいます。

Eさんは語学学校に2カ月間通い、滞在は2週間のホームステイの後、シェアハウスに移動しました。決して英語が得意というわけではありませんでしたが、持ち前のチャレンジ精神からサイトでシェアハウスを検索しながら自力で探したそうです。

Eさんが海外生活で気をつけていたことは、夜間の一人歩きはしないことと、極力、日本人ではなくネイティブの人たちとコミュニケーションを取るような生活をすることでした。せっかくの貴重なお金と時間を投資しているのですから、無駄にはしたくなかったと当時を振り返ります。

さまざまなトラブルを経験する

シェアハウスでのハプニングです。そのシェアハウスのオーナーは日本人としか契約をしなかったそうですが、ある日、年末にみんなで集まって引越し(年越し?)そばを作ろう!と集まりました。そのとき、そのオーナーも入ってきたそうですが、友達の一人が、「日本食だから、あなたの口には合わないよ!」とつい失言してしまい、オーナーは拗ねてしまいまったそうです。それが原因で、それ以来、1階と2階で行き来禁止になってしまいました。またそのハウスは、もともとネット事情が悪く、オーナーが出張している間にネットトラブルが発生したこともあったそうです。

次に旅をしたときのことです。ある日、ナイアガラへ一人旅をしようと、ネットで予約しながら移動したそうですが、ネットで予約したにも関わらず「予約されていません」と言われてしまうハプニングもありました。たまたま部屋が空いていたので、泊れたそうですが・・・。

バイト先でのトラブルもありました。一つ目は、日本人が経営している豆腐屋でのこと。急に呼び出され、もうこなくていいと言われクビになったこともあったそうです。そのときは洗車の仕事のかけもちをしていたそうですが、この仕事は天候に左右されるので辞めました。その後は、ガーデニングとタイレストランの皿洗いの仕事が決まり、ダブルシフトでみっちり仕事したそうです。

バイト先で得られたこと
どちらも英語環境のアルバイトだったそうですが、ガーデニングの車では移動中に会話するので、「今日はこんなこと話そう」と事前に予習し、メモ帳に記述したりしました。そしてその内容を話しかけるなど、意識的にコミュニケーションを取るよう工夫したそうです。また、お得意先さんも親切な方で、お昼時に行くとご飯をごちそうして下さったりしたそうです。Eさんはそこで人の温かさを実感したのです。まさに外国の様々な家庭を垣間見ることができたと当時を振り返ります。
医療系に携わる!

やはり海外に来たからには何かを残したいと考え、医療系の学校にて勉強することにしました。その学校では、一般の人も受講できるが、主に医療従事者が受講するクラスでした。具体的には、看護師さん、医師、そして臨床検査技師などが参加していたそうです。その学校では、患者さんへの薬の説明、患者さんの自覚症状をどう話すか、などをロールプレイングを中心として学習しました。自分たちのやり取りを先生がチェックしてくれます。日本でもこのような形式の勉強は初めてだったので、たいへん充実した時間を過ごすことができたそうです。ただ欲を言えば、期間的には、できれば2か月ぐらい行きたかったといいます。しかしながら、時間とお金の都合をつけることができなかったため、最終的にはバンクーバーでの滞在の最後の1カ月で通うことにしたそうです。

Eさんは、海外生活で身に付いたことを次のように語ってくれました。
・自分は結構シャイボーイだったのですが、自分から話せるようになった。
・カナダでは極貧の生活も体験したので、打たれ強くなった。
・たくさんの人達と友達になれた。いろんな人と接していくうちに視野が広がり、日本にいたら絶対知り会えなかった人と繋がることができた。

帰国後の希望

Eさんの帰国後の希望は、最初から薬剤師でした。迷いはなかったそうです。薬局・ドラッグストアでのアルバイトができ、病院実習ができること。そして何よりちゃんとした実験ができるためです。最初から大学院に行くことを決意していたそうです。全部経験してから、自分が働く場所を決めたかったと語ります。

どんな就活をしたか

9月の後半(帰国して半月後)に就活をスタートしました。就活で心掛けていたことは、なるべく効率的に仕事先を見つけることと、個人で探すには限界があると思い、就職支援会社を活用しました。もちろん、自分でもweb等で検索し会社探しはしていたそうです。Eさんは、自分の希望にあった就職先を見つけて、早く仕事をしたい!という気持ちが強かったのです。人材会社は、エストレリータの勧めもあった2社に登録しました。予想以上に仕事の紹介をしてくれたそうです。とはいうものの、Eさんとしては、紹介された会社を即決するのは怖かったので、実際に会社に訪問し、自分の目で確かめてから決めたいと考えていました。Eさんは、自分のペースで就活ができたと振り返ります。全てが順調に進んだそうです。紹介された会社をいろいろ見たのですが、「在宅をやりたい!」という希望がEさんの中では一番優先順位が高かったので、「福利厚生」などが充実しているものを選んだそうです。

今回はEさんにとって人生初の就職活動でしたが、充実していたと振り返ります。また就活を通じて分かったことがあるそうです。それは、一言で「薬局」と言っても、お店・会社により、それぞれ特徴がある、全然違うんだなぁということを、Eさんは改めて実感したのでした。

充実した就職活動

就職先は約1か月で決定しました。今回就活をして感じことは、もし自分自身が現役だったらもっと大変であったであろうということです。この時期だからこそ、企業側も会ってくれて、スムーズに物事が運んだのではないかとEさんは分析しています。

就活の勝因をEさんに振り返ってもらいましょう!
勝因1:時間があった。学生をやりながらだと大変だが、時間を有効活用できた。
勝因2:多くの企業を見ることで情報収集ができるし、様々な比較検討ができるので、良かった。
勝因3:エージェントの活用が、情報量と時間を有意義に使えた。カウンセラーと話すことで、漠然としていた考えをまとめてくれたので助かった。

どんなところに就業したか?

薬剤師です。お薬を調剤して、患者さんにお薬を出す仕事です。今は薬の説明をすることがメインです。Eさんのように在宅の場合は、実際に患者さんのお宅に行くことになるので、患者さんと店頭で会話するだけでは分からないことをさまざまな角度から知ることができるそうです。たとえば、患者さんの家族構成・家の構造など、見えない点を把握することができるのでアドバイスの幅が広がるのだそうです。これは病院だとなかなかできないことでもあり、これこそが調剤薬局の魅力だと語ってくれました。

これからの希望

まだ駆け出しということもあるため、基礎力を身につけながら、信頼される人になることを目指しています。将来は経営の勉強もして、ゆくゆくは薬局を経営していきたいと考えているそうです。

これから海外生活をするあなたへの一言

「海外へ漠然とした想い、無目的で行くと、何も得られず終わってしまうかもしれません。外国に行けば、往々にして周囲の環境も良いので楽をしてしまいがちです。「必ず目標を決めて、それを達成するまで帰れません!」という気概で取り組むべきでしょう。また、海外での生活中も、「どうやったら就職活動につなげられるか」を意識して生活すべきだと思います。帰国してから就活の準備をするのでは遅いので、海外にいるときから積極的に情報収集すべきです。僕は医療系の学校に行ったのが一番大きかったし、「やる」と決めたことを、自分で実行してきたということが自信にもなり、就職活動する際の最大のアピールポイントにはなったと考えています。

人事からのワンポイントアドバイス

1つ目は、目的・アクションプランを持って海外渡航したこと。これはセミナーでもお伝えしていることではあるが、この2つがあることで、「いっぱい成長」できる。海外生活でこの2つを持って過ごしたことが成功体験となり、これからの生活でも有意義に活かすことができる。

2つ目は、エージェントの積極活用。Eさんは、エストレリータとエストレリータが提携するクラシス株式会社との三者で就職活動を行い、見事、自分の目指す仕事を手に入れることができた。就職活動は自分ひとりで行うこともできるが、就職エージェントを活用することで、面接の内容・会社のリアルな情報・自分の条件を代理で伝えてくれる、などのメリットがある。企業の情報を多く持っている就職エージェントを活用することで、自分の目だけでは分からない細やかな情報収集をすることができるだけでなく、スムーズな就職活動が可能となる。

3つ目は、「自分で選ぶ」という意識を持つこと。就職活動中は、「オファーがありました」「スカウトがありました」「こんな仕事あるよ」など、他者から勧められて応募するケースもある。ただしここで大事なことは「『受ける』と決めるのは自分」という考え。この意識があれば、面接の時間は「見てもらう」という形ではなく「自分も見極める」という能動的な時間になる。ぜひ、「選ばれる」という意識ではなく「自分で選ぶ」という意識で就職活動をしてほしい。