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就活奮闘記 vol.14

どんな留学をしたか?また、留学でどんな成長を手に入れたか?

K.Tさんは、2010年6月から2011年3月までの約9ヶ月間、カナダのバンクーバーに留学しました。もとも国際交流に興味があったK.Tさんは、高校生のときにスコットランドへ短期留学を経験し、そこで「英語力をさらに磨きをかけたい」、「海外で働きたい!」と強く実感されたそうです。それがきっかけとなり、大学院卒業後、中学の英語講師を経て、念願だった海外渡航を決心したのでした。

カナダは移民の受け入れに積極的な国で、バンクーバーにも多種多様な民族の人びとが共存しています。学生時代に異文化理解を研究してきたK.Tさんは、多民族に寛容な姿勢が生活のあらゆるシーンで見られることに感動したそうです。たとえば、ホームステイしていた隣近所にも、いろんな人種・民族の人が住んでいましたが、それぞれの国の料理を持ち寄ったポットラックパーティーを開いて語らう時間を大切にしたり、それはK.Tさんにとってすごく新鮮で微笑ましい光景だったそうです。

9ヶ月間という一時的な期間ではありましたが、自分がその国の一員として多文化社会の中で暮らせたことが留学から得た何よりの財産になったそうです。

語学学校で学んだこと。

最初英語が思うように聞き取れない、話せないことに落ち込んでしまったこともあったK.Tさんでしたが、学校へ通っている間は、授業以外の時間も、 勉強する時間を少しでも長く確保するよう意識し、ラジオを買って聞いたり、新聞を読んだり、少しでも英語上達につながる行動をし続けました。つまり、時間が決められた中で、英語力を上げるスケジュールをしっかり立て、実行することを心掛けたのでした。そんな行動ができたのも、自分にとっても限られた留学期間なので、その間は自分を成長させる環境を自ら創り出し、常に自分のモチベーションを高い状態に維持し生活していこうと留学前から決めていたからです。

そして、この時期一番学んだことは、学校でもどこであっても、自分が理不尽に感じることは、相手が先生であろうが、誰であろうが、自分の意見をはっきり主張し、権利を訴えること。特に様々な人種が混在する海外ではその姿勢がないと上手くいかないということ。また異なる文化的背景を持った仲間とは粘り強く話し合うことが何より大切であり、それができれば、すばらしい信頼関係を築けるということを学んだそうです。

カナダでのワーキング体験!~人生一回限り。やったもん勝ち!

K.Tさんは、日本語学校でボランティアをしたり、カナダ系の旅行会社にインターンシップをはじめます。そのインターン先である旅行会社でも、異なるバックグラウンドを持った人たちが一緒に働いていたそうです。外国の会社ということもあり、最初は、相手の文化や価値観を理解しながら物事を遂行することが困難なときもあったそうです。そのため、職場では相手を配慮しながらも、自分から進んで意見を主張して、日々最善を尽くすことを心掛けたそうです。そこで多文化共存になくてはならない調和を築くことができたと振り返ります。

外国の会社で仕事をすることを通じて「困難も、結果的には自分の成長に結びつけて考えることができるようになった」とご自身の成長面を振り返ってくれました。

K.Tさんは、海外生活中に常にこの言葉を意識していたそうです。
人生一回限り。やったもん勝ち!

この姿勢が、K.Tさんの行動や発想、視点をポジティブなものにしていたに違いありません!

帰国後の希望(どんな会社へ入社を希望されてましたか?)

国際交流への架け橋となる仕事ができるところという希望が前提にあったそうです。それが官公庁や、一般企業であるか、あるいは学校であるかなどは決めず、幅広く検討していたそうです。

どんな就活をしたか

ACTION1:帰国後自ら行動することで得られた想定外の「偶然」。

帰国後すぐ、ローカルのFMラジオ局が今年度から始まる地域の観光番組に関する番組制作社員を募集しているという紹介を受け、面接を受けてみることにしました。それまでは、この1年間はたっぷり時間を取って納得のいく就職を果たそうと考えていたところに、ラジオ局で働くという想定外ではありましたが、大変興味深く、面白そうな仕事に出会ったのです。

ACTION2:ワークショップで受けた言葉から自分に「何ができるか」に着目した

どちらを選択しようか迷ったときに、エストレリータの1対1の帰国後ワークショップに参加します。担当者の本橋から「何でも仕事に一生懸命打ち込んでみると、自分にとってその仕事が良いか悪いか(合っているか合わないか)が見えてくるもの」という言葉を受けます。留学を振り返って、グローバルな視点からローカルがもつ付加価値が見えたことや、自分は「何がしたいか」ではなく「何ができるか」ということが意外と大事であるということに改めて気づき、新しいジャンルの仕事に挑戦してみることに決めたのでした。

どんなところに就業したか?

ローカルのFMラジオ局に就職し、週に1回放送される地元の観光番組を制作しています。取材に行ったり、原稿を書いたり、パーソナリティの練習をしたりと様々な新しいことに挑戦しています。

K.Tさんは「この仕事でもいろんな人と出会っているので、その人の絆がそのまま現れるような、聴いていて和む番組を作りたいです!」という意欲を語ってくれました。

これから渡航する人と仲間に一言

留学中は自分を見つめる時間をキープし続けることが成功の鍵だと思います。滞在が長くなるにつれて、生活にも馴染み、何も考えずに過ごすことができるようになりますが、楽しいことも辛いことも経験した者勝ちという思いで積極的に動いてみてください。わたしはそれだけを守り抜いた結果、何事にも変えられない人との出会いがあり、それが縁で多くの貴重な経験をさせてもらうことができました。行動するということは、自分を成長させる環境を自ら造り出すことができるということです。それが帰国したときに感じられる成長につながると思います。

人事からのワンポイントアドバイス

1つ目は、予期しない偶然の出来事を自ら活かしたこと。

これはまさにキャリア理論でいう「計画された偶然性―プランド・ハプンスタンス・セオリー」といわれるもので、単に偶然の出会いや出来事を受け身的に待つのではなくそれらが起こるように自らが積極的に働きかけるということです。K.Tさんは帰国後に、お世話になった方に自ら挨拶にいくことで今回のラジオ局の募集の紹介を受けました。自ら何らかの行動を起こすことで予想外の「偶然」を得られたわけです。

2つ目は、職種を選ぶ基準を、自分が「何をしたいか」から「何ができるか」まで範囲を広げたこと。

そもそも仕事が成り立つ条件とは、「あるサービスを期待する人がいて、そのサービスを提供する人がいる。」こと。つまり、自分が「何をしたいか」だけに,こだわらず「自分に何ができるか、提供できるか」という視点も職種選びにはとても大切なのです。

3つ目は、何事にも臆せず挑戦したこと。

K.Tさんは、海外生活中からある発想を持っていました。それは「良い体験も、辛い体験も体験した者勝ち!すべての体験が自分を成長させる糧」です。この発想を持つかぎり、失敗はありません。何事にも積極的に挑戦できますよね。

就活生には、ぜひ、この発想を参考にしていただきたいと思います。