大学では福祉・介護に関する勉強をし、介護福祉士の資格を取得。将来は介護関連職に就くことを考えていたものの「まずは世の中・社会・経済に関して知ろう」と考え、大手都市銀行に就職。約3年勤務したのち、アイルランドへ留学。ボランティア活動をする中で、自分の方向性を見い出し就職活動へつなげます。
M.Nさんは、他にも週に一回ではありましたが、病院でのボランティアを見つけました。そこでは実績に応じて、週に通う回数が増えていくしくみだったそうです。その病院は機能回復が必要な方がメインの施設で長期滞在者だそうです。いわゆる介護老人保健のような施設でした。そこでのM.Nさんの活動は、機能回復のメニューの中にあったお菓子作りに参加されたり、アロマセラピーのレクレーションやクイズを出題する役割もしました。その施設に滞在されている方々の趣味活動を通じて青春代を思い出させる、つまり、生きがい作りをサポートする活動でした。そこでは、たいへん充実した日々でした。
そこで出会った人たちは、M.Nさんに対して、「外国人だから」とか「アジア人だから」という目はなかったそうです。「M.Nさんだから楽しいコミュニケーションがとれたんだよ」と嬉しい言葉をかけられたそうです。M.Nさんはこの活動を通じて、「自分はこのような仕事がしたかったんだ」と自分の方向性が見えてきたと言います。
最初は、デイサービス・介護のどちらにも対応できる自分でありたいと思っていたそうです。現地滞在中からインターネット等でその方面でどんな仕事があるか調べて分かったことは、介護職のほうがデイサービスよりも募集が多かったことでした。また、M.Nさんは、介護の仕事を探しているときに、古武術介護を知り、早速学びました。その理由は、古武術介護を身につけば力を使わずに、相手を持ち上げたり、動かしたりできるので、小柄なM.Nさんは力仕事の面でも介護職に不安に感じていただけに、これを身につければその不安要素を解決できるのではないか、と考え学び始めたのです。
M.Nさんは、株式会社ボンセジュールに就職が決まりました。なんと就活をはじめてたった1カ月というスピード内定という快挙です。ボンセジュールは、ベネッセグループの有料老人ホームで、日常生活に介護を必要とする高齢者のための有料老人ホーム「ボンセジュール」を中心に事業を展開しています。ボンセジュールは、これまでの介護や福祉の枠にとらわれないサービスを提供していく老人ホームとして定評があります。
M.Nさんは今、介護の技術を身につけたいという希望はあるものの、やはりまずはサービス・接客業でもあるので、薬を間違えないように、丁寧な対応をするなど、基本的な部分からしっかり意識して仕事をするよう日々励んでいます。先輩の仕事ぶりを見ていて、確かに忙しい職場ではあると実感しながらも、決してそれが愚痴ではなく、前向きに「頑張ろう!」という気持ちで充実した日々を送っています。
1つ目は、「大事なことは何かを問いただす」ということ。
海外渡航中にアルバイトがなかなか見つからず苦労していましたが、「大事なことは英語を使うこと」という点で戻ることで「ボランティア活動をする」という方向へ転換することができ、最終的に現在の仕事に繋がる経験をすることができました。「大事だと思うことを大事にした」ことで自分にとって大切なものを得られたのです。
2つ目は、「Help」ではなく「Assist」をエストレリータに求められたこと。
走ることで例えれば、Helpとは、「ゴールまでひっぱって!」とお願いすること。一方Assistはゴールまで行く「サポートをお願い」すること。M.Nさんの場合は、エストレリータにAssistを依頼し、見事最終的には自分の力で「やりたい・なりたい・したい」を実現されました。