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就活奮闘記 vol.3

どんな留学をしたか?また、留学でどんな成長を手に入れたか?

留学当初の英語力の挫折とリベンジ

留学当初は、ホームステイ先での会話を理解できたのは一割ほどだったそうです。そのホスト先のA4サイズ1枚半に書かれたルールブックを、辞書を見ながら2日間かけてやっと理解できるほどの英語力でした。ある日、友人とスターバックスに入った際、ココアを注文する英語が店員に通じずに時間がかかってしまい後回しにされてしまいました。その後、友人が代わりに注文してくれたそうですが、家に帰ってからもあまりの悔しさに初めて涙したそうです。そこからがリベンジです。次の日に、同じお店にいき、カウンターの前の席にすわり、辞書、ノート、ペンをひろげ、ほかのお客さんが実際どのような表現を使って注文しているのかを観察したそうです。悔しい思いをしたら、そのままで終わらせずに、自分が納得のいく行動に出るのがM・Fさんらしさと言えるでしょう。転んでもタダでは起きない姿勢がその後の成長につながるという良いエピソードです。

ネイティブの知り合いを増やそうとこんなチャレンジを試みる!

とにかくネイティブの人たちと多く触れ合いたいという思いから、一人でいろんなお店に出向き、「無料でもいいから働かせてくれ!」と10件以上も直談判したり、インターネットのボランティアサイトを見つけ、積極的にアプローチをしました。最終的には、そのボランティアサイトで見つけたクリスマスのサンタバレードのボランティア(炎天下の中、着ぐるみを着て2時間以上もパフォーマンスをするというボランティア)を翌日ゲットしました。

M・Fさんは、11か月という留学期間で、友人もたくさんでき、英語の勉強も一生懸命に取り組み、充実した留学生活を送ったのです。

帰国後の希望

海外に行く前には、ただ英語を使って働きたいという漠然とした希望しかなかったようです。ところが、現地生活が始まり、ニュージーランドで出会った方々と触れ合ううちに、彼らの親切心にとても心が打たれたそうです。そこで今度は自分が他人に対してお返ししたいという心境になり、より多くの人たちの楽しい思い出作りの助けになる仕事がしたいと、旅客・サービス業に的を絞りました。「日本は、日本人だけのための国ではない。世界中の人が楽しめる国、それが日本だ」そう思ってもらえる仕事がしたいと考えたのです。さらに英語が話せれば、ほとんどの人とコミュニケーションがとれることを実感し、自分のためだけの英語の勉強から、他人のために英語を使う勉強に変わったと当時を振り返ります。

どんな就活をしたか

ACTION1:渡航前
留学準備を進めるM・Fさんにとっては、友人など自分の周りの人たちが就職活動一色になる姿を見るにつけ、やはり帰国後の就職活動のことが頭から離れることはなかったそうです。かりに帰国後の面接時に、「海外に行っていたので説明会に行けませんでした」では、それで終わってしまいます。何とか自分を売り込む方法はないかと考え、セミナー講師を担当したエストレリータ代表の鈴木に相談のメールをしました。そこで提案されたのが、自分の志望する会社へ留学前に手紙を書くことでした。帰国の時期が3月上旬だったこともあり、新卒としては就職活動が出遅れてしまいます。そこで日本にいるうちから、『企業へ手紙を書くことで、大勢の中の1人ではなく、【特別な一人】になれる可能性があるよ』というアドバイスをもらったのでした。企業への手紙の書き方も含めて、鈴木が指導させてもらいましたが、そのアドバイスを実行に移す行動力・素直さがM・Fさんの素晴らしいところです。
ACTION2:渡航中そして帰国後
ところが、ニュージーランド滞在中に、5社ほど手紙を送ったものの、残念ながら帰国後にはそれらの会社には決まりませんでした。実際、就職活動を開始したのが3月の半ばを過ぎていたため、ほとんどの企業が1次募集を締め切っていたのです。さすがに一時期は途方にくれてしまいましたが、そんなときにもエストレリータの資料を見直し、自己PRのシュミレーションなどは継続し、意地で動き続けたといいます。住まいのある山梨から毎日東京や横浜に通いました。交通費を稼ぐためにアルバイトもしたそうです。受けては落ちて、また受けては落ちてを繰り返しましたが、ひたすら粘り強く企業へぶつかり続けました。

どんなところに就業したか?

就職活動後にも継続して自分の強みを磨き続ける

就職活動を開始して1カ月を過ぎたころ、ある会社から内々定を勝ち得たのです。その会社とは、誰もが知っている東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)です。M・Fさんは、就職先が決まってからも、英語の勉強を再開し、週に2回英会話にも通い、留学へ行く前からはじめた英語暗唱トレーニングも2年以上続けているそうです。また、母校の小学校へ行き、AET(英語補助教員)の先生を紹介してもらい友達になるなど、持ち前の行動力は今でも健在です。

M・Fさんは、就職活動を通じて、良いことばかりではなく、辛いことのほうが多かったけれど、毎日必死だったからこそ、日頃友人たちと笑いながら過ごせることが、より味わいや価値のあるものだと気づけるようになったと振り返ります。毎日遊んでいる人たちの楽しさとはレベルが違う、と確信しているそうです。

人事面接で役立った恩師の言葉

現地でお世話になった先生と就職活動の話をしていたときの話です。M・Fさんは、「自分の短所は見つかるけど長所が見つからない」と告げたときに、先生はこんな言葉を返してくれたそうです。
「それがキミの長所だよ。キミは自分の短所をきちんと理解している。そして、その短所を補おうとしているじゃないか。その2つは長所と言えないだろうか」

M・Fさんは、その言葉で視野が変わったそうです。ありのままの自分を受け入れることができたからです。その言葉を面接でも使いました。その先生が、素の自分を認めてくれたようで、とても嬉しかったと振り返ります。

人事からのワンポイントアドバイス

ポイントは3つ。

1つ目は何と言っても、実行力。上手くいくか否かは別として、本当に渡航前に企業に手紙を書いて送るということが出来る学生は少ないです。今回はたまたま上手くいきませんでしたが、その行動力が奏功することも必ずあります。

2つ目は落ちても落ち込みすぎない自分。不採用という連絡を受けるとどうしても人は動きを鈍くしてしまいがちです。『どうせ動いてもダメだから…』と思ってしまっては、受かるところにも受かりません。粘り強く挑み続けた人だけが、希望の就職を勝ち取るというのは、当たり前だけどなかなか出来ないことです。

3つ目は的確な自己分析。特に強み・弱みを伝える方法には注意が必要です。強みはいかに『嫌味』なく伝えられるか、弱みはいかに『弱みで終わっていない』ように伝えられるかが重要です。M・Fさんは弱みの伝え方がとても上手くいった例だと思います。

これから渡航する人へ一言

「その瞬間瞬間で自分に何が出来るか考えながら生活して下さい。今が大事なんです。いつか過去になってしまう今をどう過ごすか。先の事なんか考えるより、すぐに行動に移せる今を大事にして下さい。遊びたかったら遊ぶ、勉強したかったら勉強する。人は人、自分は自分。周りの人たちへの感謝の気持ちを忘れずに、周りに流されず、自分のやり方を貫いて下さい。せっかくの海外生活、先の事や過去の事を考えて無難に生きるより、今その瞬間を全力で生きるようにして欲しいです。それは決して楽な事じゃないので、心してかかるべきです。ただビビることはありません。かなり辛い事や、修羅場もあったけど、『全ていい思い出だ!』って振り返って笑ってる奴がここにいるんだから。」