お父様の背中を見て育ち、「世界中を飛び回りながら、良いものを伝える仕事」を目指し英語力向上のために留学。留学前からの目標を圧倒的な行動力で達成。留学期間中の経験をそのまま活かすことができる地域情報提供会社に見事就職。
未知のことにトライするという困難ももちろんですが、立ち上げ当初は、メキシコ、シリア、韓国、カナダ、日本など様々な国から集まったメンバー同士の英語でのコミュニケーションに相当苦労したとK.Tさんは語ります。しかしトラブルはまだ続きます。スタートから2か月で最初の6人のメンバー中、4人ものメンバーが急きょ帰国するという危機に陥ったのです。残ったのは2か月間で作り上げた企画書と日本人デザイナーと自分。その当時を「正直絶望した。」と振り返ってくれました。半べそをかきながらデザイナーとコーヒーショップで打ち合わせをするも、「もし、この企画が実行できなかったら、自分は一生、実現力のない自分自身を責めるだろう」とまで考えていたそうです。そんな思いつめたK.Tさんを、もう一人のメンバーである日本人デザイナーはゆっくり話を聞きながら励ましてくれたそうです。そして「働き過ぎだから、少し休みなよ」と言ってくれ、これが救いとなったそうです。その次の日、家で、ずーっと何もしない時間を過ごしてみると、「Sharhythmをこの状況から何とかしてやり遂げたい」という気持ちが湧き上がり、「休んだ分、不思議と気持ちの整理と行動する決意ができ、新たなスタートを切ることができた」と語ってくれます。たった一日でしたが、心身を休め、気持ちの整理をしたあの時間のおかげで、「この留学の一年を絶対に無駄にしない」という最初の想いを取り戻すことができたのです。
そこからは一気に駆け上がります。企画書を携え、ほぼ毎日面接しながらのメンバー募集、新しい人との出会いがあり、人が集まり、様々なことが動き出します。しかも自分たちで考えた企画をみんなが気に入ってくれたことに感激しっぱなしの毎日だったそうです。一人で家に帰る途中うれし泣きしてしまう日が続きました。家とバス停の間のだだっ広い300メートルの住宅街を、『一人泣き街道』と勝手に呼んだりもしました。フリーペーパー雑誌「Sharhythm」は、帰国する3月までの半年間で第3号まで発行することができました。帰国するころにはメンバーは50人近くになり、雑誌はトロントの中央図書館にも保管されるようになったそうです。そして残ったメンバーたちは、その後も発行を続けています。現在「Sharhythm」は、モザイク都市トロントの特徴を活かし、隣人のことをもっと知る機会を与えると同時に、活動メンバーの英語を活かす絶好の場としても役立っているそうです。
K.Tさんは、この留学経験から、漠然としていた渡航前の「世界中を飛び回りながら、良いものを伝える仕事」というものから、「広告」、「ネットインフラ」、「経営コンサルタント」、「EC」などの具体的な職業へと希望が明確になっていたようです。もちろん、具体的に見えてきたのは、「Sharhythm」の活動中、取材や制作活動を通して体験した組織運営と広告の営業経験が影響しているようです。K.Tさんは、どんな良いものや組織も、その運営を円滑に進め、それを多くの人に認知してもらわなければ、その良さを十分に広め続けることができないということを痛いほど経験してきました。そんな経験から「良いものを人に伝える仕事」に「良いものは存続し続けてほしい」という気持ちが加わり職業が具体的になってきたようです。
広告、ネットインフラ、経営コンサルタント、ECなどを中心に就職活動を始めようと思いましたが、帰国したのは3月も終わり。遅くとも10月ごろには就職活動を始めている周りの就活生たちとは、約半年も差をつけられていたという事実が、K.Tさんを奮い立たせます。「3か月もかけて自分をアピールできないのであれば、他の人の経営や営業を手伝えるわけがない」と考え、「3か月以内に就職活動を完了する」ことを決意したそうです。ここで、K.Tさんより、就活の秘訣を語ってもらいました。
最終的に決まったのが「地域新聞社」という地域密着型のフリーペーパーを出版する会社。これはまさにK.Tさんの「Sharhythm」での体験・経験をフルに活かせる業務内容の会社で、広告の企画営業として仕事を始めます。地域新聞社は、東証2部上場で千葉県を中心としたフリーペーパーを発行している会社ですが、今後、全国進出を図るという会社の方向性にK.Tさんがピッタリとマッチしたようです。 K.Tさんはこの仕事・会社に対する思いを次のように語って下さいました。「車で町の商店街に飛び込み営業をかける、ちょっぴり泥臭い営業マンの姿。それがとても情熱的で、全国を取ろうという社員の意気込みを感じました。このちょっと時代と逆行したスタイルの中だからこそ、未来につながる普遍の情報媒体を作り、人と町に役立つ存在に成長していけると確信しました。」
不器用でも進む。目標達成っていうのは、『山登り』みたいで地味だった。それでいて、止まらなければ到達できる、『平等な機会』。多くの仲間と出会い、共に歩めて本当に良かった。この出会いが思いがけない高い目標へたどり着くことに繋がった。そして、地味なはずの山登りが、楽しくてしょうがなくなった。ありがとう。
1つ目は目標達成意欲。
頭の中で「面白そうだなぁ」と思っても実際に行動に起こすことができない人が多い中で、K.Tさんは「必ず成し遂げる・やり遂げる」という強い目標達成意欲を持ち、苦しい状況でも行動を継続することができた点が逞しいほどの強みである。
2つ目は本物のポジティブシンキング。
困難な状況に出会った際に「難しい」と言うか「おもしろそう!!やってみよう!!」と思うかで結果は大きく変わってくる。もちろんK.Tさんは後者。とにかく逆境に燃えるタイプだが、その根底には必ず「やってみよう」=「楽しむ」気持ちがある。
3つ目は「チームで勝つ」気持ち。
仲間を増やしながら事業を進めているが、自分ひとりでできることの限界を知らなければ仲間を集めることはできないし、プロジェクトを継続することはできない。素直に他人を認め、アシストをお願いすることができるからこそ「チーム(みんな)で勝つ」という意識が生まれてくる。
上記のような様々な力を獲得したことが、きちんとしたストーリーの裏付けを持って語れたので、企業人事は安心と高い期待で、K.Tさんを採用できたのだと思います。