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就活奮闘記 vol.8

どんな留学をしたか?また、留学でどんな成長を手に入れたか?

学生時代から海外に行こうと決めていたAさんは、勤務先の社内の部署の移動などもあり、当初の予定を延期しながらも「27歳になった今、行くならこの時期しかない!」と覚悟を決め、ついにオーストラリア留学に飛び立ちました。

最初の3か月はパースの語学学校に通いました。ひたすらコミュニケーションを取る練習をしたそうです。三週間のホームステイの後、シェアハウスを探すものの、いい物件が見つかりません。そのため、最後は新聞で見つける作戦をとりました。当時はまだ英語もままならない状態でしたが、臆せずに積極的に電話でアタックをしたそうです。その甲斐もあって、ようやく見つけることができました。幸いその物件のオーナーがAさんの父親くらいの年齢の人で、たいへん人柄がよく、そのオーナーと生活できたのは最高の思い出だったと振り返ります。

Aさんはその後、サーフィンができるゴールドコーストに移動します。 ゴールドコースト滞在中にも、さまざまなロケーションへ訪問を続けます。たとえば、シドニーやエアーズロックへも行きましたし、そこで日本人の友人との再会も果たしました。最終的にゴールドコーストへ戻り就職活動を含めた帰国準備に入ります。

渡航前から「帰国前にTOEICの受験」を予定していたので、サーフィンの練習とTOEICの勉強を両立する生活を続けます。その背景には、日本では、TOEICを基準に採用を行っている企業も多いため、帰国後の就職活動においてスタートダッシュを切るためにも受験したそうです。これはAさんが最初から決めていたプランでした。

自分に“やるべきこと”を課し、決して時間を無駄にしない生活を送る。
Aさんは、限られた留学生活を無駄にせず、必ず朝は7時には起床し、その後、勉強してから1日のやるべきことをやる生活を心がけていたそうです。つまり、ただ漠然と生活をするのではなく、自分に日々のルールを課すという毎日を送ったわけです。たとえば、「今日何をしようかな。日本に帰ってからどうしようかな」など、考え事を頭の中で英語に変えて考えるよう、英語力向上のために実行したり、帰国後の就職のために、日本のyahooなどのニュースをチェックしたり、残り1か月切った時から求人サイトも意識して見るようにしたそうです。そんなAさんの、就職に関する情報収集はどん欲で、日本にいる友人からも日本の求人情報を送ってもらうようにお願いまでしていたそうです。このようにAさんは、留学中から帰国後の就活を意識した生活を心がけていたのです。

帰国後の希望

前職では課題解決型の営業でかなりの実績を残してきました。またAさんは、前職を退職後、知り合いの社長から依頼があり、タクシーでの広告(タクシー設置型液晶モニター広告:マモル君・image-factory大阪)販売に携わっていたそうです。そこで何と4000台のタクシーに導入するという成功体験を持っていたのです。この仕事は、組織ではなく、個人で営業をしている会社であったため、何も用意されていないところからスタートしなければならない環境でした。そんな中で実績を残すことができ、Aさんは、面白さと苦労の両方を味わったそうです。もともと実家が精肉店ということもあり、独立心もあるAさんは、将来的には一人でやってみたいという思いがあったので、模擬練習になったと当時を振り返ります。

そんなAさんは、これまでのスキルや能力を活かせる仕事を目指しました。 その他には、海外にいる段階では、自分のキャリアにあった仕事はどのようなものがあるのかをエストレリータにも相談し情報を得ていました。具体的には、営業でIT系で打診をしていたので、GREEやサイバーエージェントやオプトなども候補の会社として考えていたそうです。

Aさんは、帰国後からすぐに就職活動をしようと考えていたので、内定時期は、10月中に、最悪の場合でも、年内までに決まればいいと思っていました。

どんな就活をしたか

活用する就職エージェントを絞り、そこから情報提供をしてもらいました。また、職務経歴書の作成は、いつでも応募できるように先に済ませるように心がけていたそうです。エストレリータからも、細かく作成するよう指導を受けました。Aさんは、海外にいるときからエージェントを通じてエントリーしたこともありましたが、同時に、直接求人サイトからの直接応募も積極的にしてきたそうです。

これから就活する人への三原則

ここではAさんに、就活を成功させるための3原則を語ってもらいました。
まずは、応募から面接までの期間が1~2週間あり、余分な時間ができてしまうので、できるだけ帰国前にエントリーをしておく方がいい。

1:事前の準備
書類準備・エージェント経由の求人ばかりに頼らず、求人サイトからの応募も決して怠らないこと。業界をあまり絞らない形(職種で考えた)で活動するとスムーズに進みやすい。
2:企業には早めのアプローチ
現地にいる間から就職活動を始めること。「帰国1か月前から戦いは始まっている」と思え!
3:海外経験を転職に活かさなければならない、ということはない。
海外生活は人生経験の一つ。企業が求めているのは「海外に行ったこと」ではない。海外生活に執着して就職活動するよりも、海外経験を含めた、これまでの自分というものをいかにアピールできるかを考えて就職活動する方がいい。エントリーは1000人単位で来るもの。1000人の中から選ばれるためにも、誰よりも事前の準備や就職活動に対する心構えを持っていなければ勝つことはできない。そして、事前準備と自己分析を1か月前から行うことは必ずやって欲しい。

いかがでしょうか。この3原則は、Aさんがご自身の就活を通じて実感したポイントです。一方では就職エージェントを使いながらも、もう一方では自己就活もしっかり並行して行うという、両方をうまく使った好例と言えるでしょう。

どんなところに就業したか?

Aさんは、神奈川県・東京都を中心にチェーン展開(直営63店舗、FC49店舗)している「美容室 イレブンカット」(株式会社エム・ワイ・ケー)に内定が決まりました。美容師が800名。具体的な業務は、営業を含めた店舗開発・人事・店舗管理です。Aさんが、イレブンカットに決めた理由としては、社長とのフィーリングだったそうです。社長の「社会に貢献する」という理念とAさんの価値観とがぴったり一致しました。また、Aさんの妹が美容師だったこともあり、長時間働き、安い給料で頑張っている姿を日々目にしていたこと。当然、その状況では、頑張れる人だけではなく、新卒のうちに半分は辞めてしまうという現実があるといいます。頑張っても報酬面で報われない過酷な労働条件となると、将来独立を視野に入れている人達が、その夢を実現できる人はほんの一握り。Aさんは今、そんな環境によって現場を離れてしまう人達をつなぎ止めたい、何とか環境を改善したいと、業界のさまざまな面において改善意欲を持ち、良い業界に変えていきたい!と意欲に満ち満ちています。また、これからは関西地区の責任者に向けて邁進していく、これが今のAさんの目標です!

人事からのワンポイントアドバイス

1つめは、戦略性。渡航前から帰国後の就職活動のイメージを持ち、渡航前の具体的な計画を立て、実行できた点。自分とのルールを守りながらしっかりとした事前準備=戦略性を携えながら行動をしたことが、帰国後すぐの就職決定に繋がった。

2つめは、貪欲さ。自分の知らない情報・足りないと感じた情報に対しての嗅覚が鋭く、情報収集の意識が非常に強かった。弊社のセミナーでもよく伝えていることだが「不安があったらそれを潰すために情報収集しよう」ということが実践できていたのがポイント。

3つめは、判断の速さ。転職活動は、転職エージェントの活用、転職サイトの活用、人づてでの転職活動など様々な形態があるが、転職活動中にそれぞれのウェイトを変えていった。それは、うまくいかなかった場合の判断が素早く的確であったということ。その判断が出来たのは圧倒的に「行動」していたからであり、行動量が多いからこそ全体を見渡せ冷静な判断ができた。