VOICE

渡航者体験談 / vol.03

渡航先でも、日本と同じ水準の仕事を見つけよう!難易度の高い目標も、積極性とねばり強さで見事攻略

帰国後の就職も考慮して、ワンランク上の目標を設定

みなさん、こんにちわ。鈴木悠と申します。2008年6月にカナダのトロントへやってきて、今は現地の企業で正社員として働いています。じつは、ワーキングホリデーでカナダへやってきた日本人の中で、現地で正社員として働くケースはかなり稀です。そこで、この先海外へと渡るみなさんの参考になればと思い、僕の体験を紹介したいと思います。

もともと僕は、システムエンジニアとして日本で4年間働いていました。2008年になってすぐにワーキングホリデーでカナダへ行くことを決めたのですが、「英語が勉強したくて、1年間カナダへ行ってきました」ということだけでは、帰国後の就職活動で苦戦するのは確実。なんといっても、技術革新の早いIT業界では、1年間のブランクは響きますから。そこで、渡航前に“スズキヒサシ・トロント移行計画”というプロジェクトを作成。日本での仕事や生活水準をそっくりそのままトロントへ移行することを最低限の目標として掲げて、ついに海外生活をスタートさせました。

とにかく行動あるのみ!送ったレジュメは50通以上に

ここからは、トロントでの就職活動を中心に紹介していきましょう。僕が就職活動を始めたのは、渡航して2カ月が過ぎた頃。その時点では、英語もまだまだでしたし、現地の求職事情もまったく知りませんでした。しかし、なんとしてでも目標を実現させたかったので、日本で立てた計画を実行に移しました。まずは、10月いっぱいまで就職活動をして、見つからなければ年末か年明けに日本に戻り、海外勤務のある企業で仕事を探そうという腹づもりだったのです。

さっそく情報収集を始めると、カナダで仕事を見つけた人のほとんどが、誰かの紹介という形で入社していたことを知りました。トロントに来て数ヶ月しか経っていない僕には、IT関連のコネクションなどあるはずもなく…。かといって、落ちこんでもいられません。日本での就職活動と同様に、ネット上の転職サイトに自分のレジュメ(英文履歴書)を登録。次に、掲示板サイト内にアップされている求人を1件1件しらみつぶしにチェックして、気になる募集があれば即レジュメを送付しました。他にも、“イエローページ”という分厚い電話帳を開き、トロントにある日本企業をチェック。企業のウェブサイトを探し出し、求人募集もしていないのに勝手にレジュメを送ってみたりして。ありとあらゆる手を尽くした結果、僕が企業に送ったレジュメは50通を越えていました。ところが、反応があった企業はほんのわずかだけ。連絡をくれたいくつかの企業の面接に、藁をもつかむ思いで挑んだのです。

では、トロントでの採用面接について、少し触れましょう。ここで必ず指摘されるのは英語力のこと。ビザについてもよく質問されます。外国人が正社員として働くのにワークビザが必要なカナダでは、ワーキングホリデービザ取得者を採用すると、企業がビザ変更手続きをサポートしなければなりません。そのひと手間を嫌って、ワークビザ取得者が優遇されているようです。さらにもうひとつ、大学の専門についてもよく聞かれました。カナダの人々は、大学の専攻と職歴がマッチしていないことに違和感を覚えるようです。僕の場合、大学は経営学科なのに、それとは畑違いのシステムエンジニアを希望。これがネックとなっていました。このように、なかなか条件に引っ掛からない僕は、面接で軒並み落とされてしまったのです。

やる気と積極性で、周囲の人々の心を動かした!

しかし、10月半ばから一気に形勢が逆転します。趣味の延長で、地元のおじさんたちとブルースバンド組んでいた僕は、ある日、バンドのドラマーから近況を聞かれました。そこで、「今は仕事を探してる。IT業界で仕事をしていたから、見つけやすいと思っていたんだけど、英語が話せないからなかなか厳しいよ」と答えると、彼が自分の会社を紹介してくれると言うのです。

そして数日後、面接に呼ばれた僕は、この半年間トロントで経験したことを一生懸命伝えました。すると、黙って最後まで耳を傾けてくれたマネージャーが、最後に一言、「英語はともかく、仕事には自信があるんでしょ?君みたいに自分から動く人、好きだな。うちはそういう人間しか雇わないんだ。来週からよろしくね」と言って、僕の採用を決めてくれたのです。

苦戦していた期間が長かった分、あまりにもあっさりと就職先が決まったことに、しばし呆然。帰りのバスの中で、ようやく実感が沸いてきました。こうやって希望を叶えることができたのは、カナダで経験したひとつひとつのことが関係しているような気がします。受け身にならず、自分から積極的にアクションを起こし、レジュメを送り続けたこと。落とされても、落とされても、あきらめなかったこと。そのアクティブさがカナダの友人や面接を担当してくれたマネージャーに伝わり、道を開くことができたのではないでしょうか。ぜひみなさんも、自らの手でチャンスをつかんでください!

鈴木 悠さん
名前 鈴木 悠さん
渡航先 カナダ・トロント
渡航期間 2008年6月1日~現在※2009年2月時点
渡航目的 日本での生活を、そのままトロントへ移行すること。