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海外生活虎の巻/渡航前/海外留学奨学金

「留学したい志はあるけど、資金が足りない!」「多少なりとも資金援助があれば留学できるのに!」など、留学を考えた時に必ず必要となるのが留学資金。そんな中、「留学したい!」と本気で考えている方や、強い志を持った方の夢を実現するためにさまざまな機関が資金援助をしています。それが奨学金制度と呼ばれるものです。

奨学金と一口にいっても、種類、定義も本当にさまざまです。渡航前の方を対象に日本で募集するもの、すでに留学中の方へ現地の学校や団体等が募集するものがあります。その中にも返還が不要な給付型や返還が必要な貸与型などがあります。
今回、第一弾としてご紹介したいのは、【財団法人グルー・バンクロフト基金】です。特にアメリカの大学へ進学を考えている高校生やその親御さんは必見です!

財団法人グルー・バンクロフト基金

財団法人グルー・バンクロフト基金制度とは?

1950年に設立された基金で、日本の高校卒業生がアメリカの大学へ進学するのを援助する、返済義務のない奨学金制度です。(※バンクロフト基金は1928年設立。2006年に両基金が合併し、グルー・バンクロフト基金となる)

概要

毎年秋に公募による選抜試験を行い、3~5名の合格者に対して返済不要な奨学金を供与し、アメリカの一流のリベラルアーツ・カレッジに4年間留学することを支援します。そのほかにも、選抜試験で優秀な成績を示した少数の学生を対象に、留学先の大学から合格や奨学金を獲得するための助言などの支援を行っています。

この基金は、日米相互理解に尽くした戦前の二人の駐日米国大使の名をとったもので、創立以来、120名以上(2011年3月末日現在)の卒業生がおり、その多くがグローバルな舞台で活躍しています。

なぜ留学先がリベラルアーツカレッジなのか?

日本国内ではリベラルアーツ・カレッジについて、間違った理解をしているケースが多いので、ここで簡単に説明しておきましょう。

日本ではリベラルアーツ・カレッジを単なる「一般教養を学ぶ学校」という認識を持っている方が多いのが実情です。しかし、実際、リベラルアーツ・カレッジは、多くの日本の大学では見られない理念を持った大学です。それは「全人教育」を目指すということです。基本的には大学院を意図的に持たない、学生数が1000人以下多くても3000人くらいの小規模な大学です。1クラスの人数は15人前後の少人数のものが多く、教授と学生、学生同士の関係は緊密で、非常に密度の濃い授業が行われています。通常1・2年生は自然科学、人文科学、社会などの幅広い分野にわたって、学問的な基礎を学びますが、3・4年になると専攻科目を決めて質の高い知的訓練を受けます。

リベラルアーツ・カレッジは、大学院を持つ総合大学にありがちなTAとよばれる大学院生が教えることはなく、教授たちが直接講義をし、討論の指導に当たるので、優れた授業内容ときめ細かいケアが期待できます。また、日本のように入学時点で理系、文系を決める必要がないため、自分が将来何を目指すのか未定でも、自分の進路をじっくり考える時間的余裕があります。専攻科目は2学年の後半に決めればよいからです。

リベラルアーツ・カレッジの4年間は、単なる知識を習得するだけではありません。教授たちの熱心な指導の下で、自ら課題を見つける能力を培い、独力で研究を進める手法を学び、自分に自信を得るのです。その意味で真の知的能力を獲得する期間と言えます。

このような知的訓練の結果、一流のリベラルアーツ・カレッジの卒業生は、大学院に進む場合でも就職をする場合でも、新しい状況の下で未知の分野の課題や研究テーマに対して、独自で挑戦していくことのできる基礎的な能力を持つことができるようになるのです。

また寮生活を通じて、多様な背景を持つ寮生たちと生活を共にするうちに、アメリカは勿論、色々な国や異なる文化を持つ多くの学生たちと交流を持つことができます。その結果、他人に対して理解を持つようになり、国際人にふさわしい寛容さを身につけた自律した人格が形成されます。アメリカのビジネス界のエグゼクティブ達が、リベラルアーツ・カレッジで「全人教育」を学んだ学生のほうが"管理職"に向いていると言うのはそのためです。
リベラルアーツ・カレッジは、人間的な成長を目指すには最高の環境だと言えるでしょう。

奨学金支給額

2011年度合格者への奨学金支給額の予定
1位合格者 4年間毎年350万円 総額 1,400万円
2位合格者 4年間毎年250万円 総額 1,000万円
3位・4位合格者 4年間毎年1万ドル 総額 4万ドル

募集要項と応募書類について

募集要項と応募書類についてはこちらをご覧ください。

合格から大学入学まで

1.志望大学への願書提出

この基金への合格は、自動的に留学先大学への入学を意味するものではありません。選抜試験合格者は、ご自身で、志望校を選定して入学に必要な下記のような準備を行い、願書(アプリケーション書類)を大学に提出する必要がありまあす。

入学準備項目
  • TOEFL、SAT等のスタンダード・テストを受ける
    (多くの大学は願書の提出にスタンダードテストの結果を必要とします。)
  • 願書(アプリケーション書類)を作成する(エッセイ等を含む)
  • 在籍高校に英文成績証明書、推薦状等の作成を依頼する

また、この基金では次のサポートを提供します。

  • 志望大学の選定に関するアドバイス
  • 卒業生によるエッセイ・カウンセリング
  • TOEFL/SAT等受験に関するアドバイス
  • 志望大学宛への当基金からの推薦状
2.留学先大学の決定

合否の決定時期は12月から4月頃までと、各大学によって異なります。複数の大学からの合格通知を受けた場合、最終的な留学先の決定に関しては、必要に応じて、この基金からアドバイスを受けることができます。

3.渡米準備

留学先決定後の具体的な準備は各自留学先大学の指導の下に行います。
パスポートやビザ(I・20)の取得、財務状況の証明書の提出などが求められます。これらの準備が円滑に行われるように、この基金では必要に応じてアドバイスをしたり、大学側と直接交渉したりします。また、渡米前にはオリエンテーションのほか、基金OB/OGによる歓送会などが行なわれます。

4.留学中および卒業後

在学中には、この基金の事務局や卒業生が、留学生活全般についてのアドバイスや進路の相談、就職に関する情報の提供を行います。卒業後は基金OB/OGの会などでの交流を通して、ネットワークを広げることができます。

卒業生の主な就職先

国際機関 国際連合、世界貿易機関(WTO)、世界銀行、国際通貨基金(IMF)
官庁 外務省、経済産業省
メディア NHK、共同通信社 など
メーカー・商社・IT 新日鉄、ソニー、日立製作所、三菱重工、三菱商事 など
金融機関 ゴールドマンサックス、シュローダー、メリルリンチ など
教職および研究者 大阪大学、慶応義塾大学、上智大学、筑波大学、東京大学、東北大学、名古屋大学、広島大学、立教大学、国立遺伝学研究所、Brown, Harvard, Northwestern ,Purdue, Tulane, Yale など
その他 建築家、芸術家、コンサルタント、牧師 など

卒業生の声はこちらからご覧いただけます。

応募に関するご質問も含め、グルー・バンクロフト基金に関するお問い合わせ先

  • E-mail:office@grew-bancroft.or.jp
  • TEL:03-3408-6343
  • FAX:03-3470-3170
  • 営業時間:月曜日~金曜日 午前10:00 ~ 午後17:00(祝祭日除く)