VOICE

渡航者座談会 / 第2回:札幌座談会

鈴木

お金にあまり余裕がないので、自分で海外に人脈を作り、渡航中、その友達の家に泊めさせてもらうことにしたんです。宿代節約ってことで。書類関係も自分で用意して、「ここまで自分で準備できたから、1年間行かせてください」とお父さんを説得しました。

代表

そっか。鈴木さんには、お父さんという挑戦する心を育んでくれた人がそばにいてくれたんだ。たから、今回、旅立てるのかもしれないよ。いろんな人が周りにいて、夢を見る力、飛び出す力を与えてくれたってことを、けっして忘れちゃいけない。それともうひとつ。お金も大事だけど、金がないより知恵がないほうが辛いよね。お金がなくても、知恵を出せばいいじゃない。お金がない分、とにかく動いて、足で稼げばいい。その過程で、いろんな人と出会い、発見するうちに、成長できるはずだから。

齋藤

僕の親は、すんなりと受け入れてくれたんですよね。一度行くって決めたら、聞かない性格なので。ただ、会社の人とか、取引先の人からは、いろんな反応がありました。「いいね」と言ってくれる人もいれば、「何それ?」と言う人もいて。「意味あるの?」「この不景気の中、会社を辞めてどうするんだ?」とネガティブなこともたくさん言われました。でも、そのたびに「なんで行くんだろう」って自分の気持ちを確認することができたんです。今思えば、厳しい意見を言われて、より真剣に考えられるようになったと思います。

代表

「不景気だからダメ」と思ったら、その人はどんなことも不景気のせいにしてしまうし、「不景気だからチャンスじゃん」と思える人は、どんな状況でもチャンスを見つけられるはず。だからね、人のネガティブ発言に右往左往する必要はないよ。「心配してくれてありがとう。ちゃんと考えてみるからね」って。そう受け止めればいいんだ。

田所

僕にとっての障害は、お金です。親に「100万円貸してほしい」と頼んだら、「ない」と言われちゃったので。目標額が貯まるまで、名古屋の工場でアルバイトをしました。残高0円から貯金を始めて、13カ月かけて150万円を貯めたんですよ。

一同

すごーい!

代表

やったねー!よく頑張ったね!海外に行って、いざっていうときに勝負ができるように、普段はできるだけ切りつめたほうがいいよ。急に、「この人に会いたい」と思っても、交通費がなければ行動できないでしょ。汗水流して稼いだお金だから、ぜひ大事に使ってほしいな。

山木

私の場合は、両親も友達にも止める人はほとんどいなくて。逆に、“もっと心配してよ!”って思ったぐらい(笑)。だけど、ある友人から「何しに行くの? 日本でもっとやることあるんじゃない?」と言われたときは、“たしかにそうかも”と思いつつ、さらっと流しておきました。海外で頑張って、その友人を見返したいですよね。

代表

正解だね。ネガティブなことばかり言ってくる人もいるけど、いちいち気にしてちゃダメ! そういう人はね、きっと、「あなただけ先に行かないで」と不安なんだよ。

いろんな問題をクリアにした今、渡航直前に感じる不安ってなんですか?

齋藤

学校英語はわかりますけど、その程度の語学力で、日常会話にはあまり自信ないんです。だから、どれだけ話せるようになるのか、ちょっと不安ですね。

保田

私も、ホームステイ先に迷惑をかけない程度のコミュニケーションが取れるのかが不安。2週間しか滞在できないので、短期間でもちゃんと会話らしい会話ができたって思えるようになりたいんですよね。

代表

言葉については、完璧になろうと思わないこと。伝えたい思いを伝えられれば、それでいいんです。もうひとつはね、現地の人と話す場を自分で作ること。僕の知っているコは、“寝る時間以外は1時間以上部屋にこもらない”って決めていたんだって。リビングルームにいれば、家族としゃべらなきゃいけない状況になるでしょ? そういう中で打ち解けてくるものってあるんだと思うよ。しゃべれないから部屋にこもるじゃもったいないね。

艾澤

私は、言葉のことと体のことがいちばんの不安です。まぁ、体のことは、今から考えても仕方ないし、とりあえずなんとかなるだろうなとは思っていますが。英語がしゃべれないまま渡航して、いざ具合が悪くなったっていうときにどうしたらいいのか、不安に思うこともあります。

代表

じゃあ、渡航先に着いたら、すぐに現地にいる英語がしゃべれる日本人と日本語が通じる医者を探しておくこと。万全の準備をしておけば、どんなことがあっても大丈夫だって開き直っちゃおう。人に頼ることは、悪いことじゃないんだからね。1年の海外生活である程度会話に困らなくなってきたら、後から渡航してきた体が弱いコを助けてあげてほしいです。