履歴書は、いきなり書き始めるのではなく、自分と応募する企業についてよく分析した上で、「どんな情報を盛り込めば効果的か」「どこを強調するか」などポイントや筋書きを決めてから書き始めること。どんなにしっかり書いたつもりでも、自分のアピールした部分と企業の求める人物像がかけ離れていたら、採用にはなかなか至りません。それに、誤字脱字の際に修正液を使うのはNG、失敗したら初めから書き直しになりますから、なおさら事前にしっかりと内容を決めてから臨むことが大切です。
なお、履歴書を書く際は、パソコンやワープロよりも黒いボールペンかサインペンでの手書きが基本。丁寧に書いてさえあれば、字の上手い下手はそれほど心配しなくても良いでしょう。心を込めて書きましょう。
できることなら、書く前の自己分析と企業分析の結果をふまえ、名前よりも何よりもまず最初に書き始めたい項目です。志望動機を最初に書いておくことは、いわば「オチを始めに決めておく」ようなもの。ゴール地点が見えていますから、他の内容を書く際に迷いがなくなります。
履歴書はラブレターとどこか似ています。ラブレターを貰ったとき、相手がどんな人か気にするのと同じくらい、自分のどこを気に入ってくれたのか、考えますね。採用担当者も、あなたの能力と同じくらい「なぜ応募しようと思ったのか」「どんなところを気に入ってくれているのか」をとても気にします。そうした疑問に答えて「なるほど」と思わせるためにも、志望動機は順序立ててしっかりと構築しましょう。
最初は別の紙にこの4点を箇条書きにしてみましょう。それから文章にしていくようにすれば、自ずと書きやすくなるはずです。
ポストに投函した日(持参の場合は提出日)を書きます。なお、一枚の履歴書の中では日付の表記を全て統一する必要がありますから、ここは200X年と西暦で書くよりも、平成XX年と元号で書いておく方が、「経歴」欄や「資格取得」欄でマスが狭くて書きにくい思いをしなくて良いでしょう。
名前もまた、写真と同じくまず読む人の目に飛び込んでくる部分。大きく丁寧に、気持ちを込めて書きましょう。
先述の通り、生年月日は日付と表記を合わせます(日付を西暦としたらここも西暦、平成の場合は平成または昭和)。
3ヶ月以内に撮影したもので、正面から肩から上の写真。サイズは2.4×3cmか3×4cmが一般的。オシャレ感よりも礼儀正しさや清潔感が伝わる格好で撮ることを心がけ、髪を無造作にしたり派手なメイクをするのは避けましょう。また、スピード写真では暗くなりがちです。少し高額でも写真館でプロにお願いし、明るく良い表情を写真にしてもらいましょう。
都道府県名、アパート・マンション名なども省略せずに書きます。「ふりがな」とある場合にはひらがなで、「フリガナ」の場合はカタカナで表記。番地や郵便番号など数字には振る必要ありません。欄が目立たないため、書き忘れないように注意しましょう。
連絡先には自宅の一般固定電話を明記するのが一般的ですが、ない場合にはIP電話や携帯電話でも構いません。ここに固定電話を書いた場合、携帯電話は「その他の連絡先」欄に記載すると良いでしょう。その場合、「恐れ入りますが、平日の昼間は携帯電話にお願いします」などという一言を忘れずに必ず添えること。
履歴書によってEmail欄の設けられているものがありますが、その際は原則としてPCの固定アドレスを。企業によりますが、携帯のメールやフリーメールのアドレスはまだオフィシャルな印象を抱かれない場合があります。固定アドレスを持っていない、フリーメールの方が連絡がつきやすい、といった正当な理由がない限りは避ける方が無難です。少しでも間違って伝わればそれだけで届かなくなってしまうのがEmailです。アンダーバーとハイフン、o(オー)と0(ゼロ)の区別や、ドットの見やすい打ち方など、慎重に配慮しましょう。
前述の通り、年号は日付と合わせましょう。学校名では「高等学校」を「高校」と略したり、会社名でも「株式会社」を「(株)」とはせず、正式名称で書くことが鉄則です。
ここでも「自動車免許」のような通称で書かず、必ず「第一種普通自動車運転免許証」と正式名称で。取得時期の古いものから順番に書きます。できるだけ多く書きたいところですが、あまりにも仕事との関係性が薄いものや、古いバージョンのPC関連資格などを並べ立てるのはNG。また、一般的な資格に関してはある程度以上のものを書くようにします。日商簿記は3級以上、英検は2級以上(留学やワーホリ経験者ならばなおさらこれ以下は書かないほうがよいでしょう)が目安です。
履歴書によっては、趣味や特技の代わりにこうした「留学から学んだこと」「海外生活から学んだこと」という欄の設けられたものがあります。現地での生活やボランティア、スクールなどの体験からどのようなことを学習、または身につけ、それを今後どう活かしていく予定か、具体的な例を掲げて、読み手にイメージが伝わりやすいようにしっかりと説明しましょう。
ここで大切なのは、ちゃんと企業側が求めている人物像を理解しながら、「自分はこんなに戦力になるんです」という点が伝わるようアピールすること。どんな能力を持っているか、どんな仕事なら任せられるか、誰の下で活躍してもらうのが良いか…採用担当者は色々なことを思い描きながら履歴書を読んでいます。担当者があなたの能力と欲しい人材とを比較した際に、「この人だ」とピンとくるような内容になっていればベスト。但し、無理をして自分を偽る必要はありません。あくまで求められている課題に対し、自分はこんなことができます、ここまでできます、と誠実に説明し、スペースが余っていれば、自分が採用されたらこんなことを実現します、といった未来像も書き添えておくと効果的。能力だけでなく、“やる気”も見られる項目です、間違っても、一行や二行で終わることのないよう気をつけて下さい。
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