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海外生活虎の巻/渡航前/留学会社との紛争トラブル

留学をサポートしてくれる留学会社。留学プランを一緒に考えてくれたり、手続きを代行してくれたり。上手に利用すれば、憧れの海外留学への近道にもなります。しかしながら近年では、さまざまなタイプの留学会社が増え、留学生と留学会社との間でトラブルが後を絶ちません。

「業者の対応が悪い」「ホストファミリーが希望していた条件と違う」など、さまざまなトラブルがありますが、中でも問題となっているのが「解約時の返金額が少ない」「解約したのに返金されない」などの返金トラブルです。留学会社には、旅行会社に対する旅行業法のような明確な法律がないため、比較的自由に約款を作ることができます。もちろんすべてが自由ではなく、消費者契約法や民法などの関連法規で定められた返金ルールがあり、留学会社はそれらを守る必要があります。しかしながら法律に詳しくない留学会社や悪質な旅行会社は、そういったルールを守っていない場合があり、返金トラブルにつながってしまうのです。

留学協会のトラブル支援

それでは実際にトラブルに見舞われた時には、どうすればいいでしょうか? 返金トラブルであれば、内容証明や配達通知などで、論点を明らかにした書面を留学会社に送ることで返金に応じてもらえる場合もあります。しかしながら留学業界に詳しくない個人では、どこから手をつけていいのかわからないのが現状です。

そこで利用したいのが、留学トラブルを解決するために設立された機関、NPO留学協会です。留学協会では留学トラブルに関する相談を無料で受け付けるほか、書面を送る際のアドバイスなども行っています。またNPOとしては初めて、留学生と留学会社との間で調停を行う業務を法務省から認可されており、どうしても解決の糸口が見えないときには、留学生または留学会社は留学協会に申立をすることもできます。次に実際に調停の流れを見て行きましょう。

調停の流れ

①調停手続きの申立
申立人は、申立手数料10500円を納付し、申立書を提出します。また相手方も、調停手続きに応じる旨を記載した書面を提出する必要があります。
②調停
弁護士と留学アドバイザー各1人ずつを調停人として、調停を開きます。申立人と相手方、調停人を交えて話し合いをすることで、賠償金や返金などの決定がなされます。また調停を開催するたびに、調停期日手数料5250円や調停人の日当2625円などの費用がかかります。
③和解成立

和解が成立した場合には、成立手数料を支払います。

(成立手数料)
  • 紛争の価格が50万以下の場合……5万2500円
  • 50万円以上300万円以下の場合…経済的利益額の10%×1.05
  • 300万円以上の場合…30万円+(紛争の価格から300万を引いた額の2%)×1.05
通常の裁判の場合、弁護士の着手金だけで7~8万円、成功報酬も別途かかるため、留学協会の調停では比較的コストを押さえることはできます。しかしながら調停は時間と労力を使うもの。できることであれば、申立をする前に、書面や話し合いを通じて、妥協点を探っていきたいものです。

留学トラブルに陥らないためのポイント

これまでトラブルが起きた際の解消策を紹介してきましたが、何よりも大切なのはトラブルを未然に防ぐこと。すなわち留学会社を慎重に選ぶことが重要なのです。それでは、留学会社を選ぶためのチェックポイントを見て行きましょう。

返金ルールの説明があるかどうか
通常の留学会社であれば、返金ルールや約款について説明をしてくれます。そこをごまかしたり、流したりする業者は信頼できない可能性があります。
HPに代表者の名前があるか
HPに住所や電話番号、代表者等の名前の記載があるかチェックしましょう。もし申立をすることになった場合などに、留学会社の代表者が明確でないのでは問題です。
契約時点が明確がどうか
入金したら契約なのか、申し込み書を書いたら契約なのか、契約時点を明確にしておきましょう。契約時点が明確でないと、キャンセルチャージなどの発生のタイミングが分からず、トラブルにつながります。
送金のタイミングが適切かどうか
「出発の1年前に代金を振り込め」などの要求をしてくる業者は、あまり良い業者とは言えません。多額のお金を振り込むことに不安がつきまとう場合には、領収書をもらったり、証明書をもらうなどの手続きをしましょう。
自分がきちんと理解しているかどうか
一番大切なのは、わからないことをわからないままにしておかないこと。留学会社が言うことを鵜呑みにせずに、きちんとサービスや費用などについて自分で調べ、質問し、理解をすることが必要です。また留学会社を選ぶ際には、しっかり比較検討して、自分が納得のいく会社を選びましょう。