欧米社会では、Yes/Noをはっきりと言うことが求められます。あいまいに答えていて「Yes or No?」と相手をイライラさせたこともしばしばありました(笑)。そして、日本のように「はい」と言ったけど、内心は「いいえ」という意味を伝えたかった、という裏ワザはほぼ通用しません。「Yes」は「Yes」としか解釈してくれませんので、「ほんとうはNoだっていうことがわかるだろう。」という期待は禁物です。
ただ、この「Yes/No」は単純に「はい/いいえ」で訳せないときがあります。
例えば、以下の会話を見てください。
日本語だと、特に違和感はありません。
これを英語にすると、以下のようになります。
日本語だと「うん(はい)」だったところが英訳だと「No」になっていますね。
英語では直前の情報が正しいかどうかではなく、Aが使ったcomeというメインの動詞について肯定しているのか、否定しているのかという基準で「Yes/No」で答えています。
あくまで、メインの動詞「Hungry」に対して、「Yes」 なのか、「No」なのかで答えます。文章中の「not」があるので、「おなかがすいていない。」という情報が正しいからといって、二度目に「Yes」と答えると、相手は「えっどっちなの?」と戸惑ってしまいます。
また、ネイティブがよく使う、文末に「〜, aren’t you?」「〜don’t you?」(~なんでしょ?)という疑問文をつける文章を否定疑問文と言いますが、これに対しても同じことが言えます。
Aの人の言った「like」という動詞に対して、「Yes」なのか「No」なのかで答えます。
このYes/Noの使い方は慣れないうちは逆に使ってしまいがちで、特に最初のうちは相手も言葉のつたないこちらの意思を確認しようとして、一度聞いたことを「~なんだよね?」と確認してくれることも多いので、日本語の感覚で上の例のように「おなかがすいていない」という情報に対して、「Yes」というとおなかがいっぱいなのに、料理をだされたりして、「さっきおなかすいていないって答えたのにどうしてだろう?」とミスコミュニケーションが起こります。
もうひとつ間違えやすい「Yes/No」の使い方として、「Do you mind ~?」という疑問文に対しての答え方があります。この「Do you mind ~?」は「~してもかまいませんか?」という意味で、「してもいいですよ」という答えの時は「No」、「してはだめです。」のときは「Yes」と答えます。
ついつい、「はい、どうぞ」という日本語につられて「Yes, yes」なんて言ってしまいがちですが、これは直訳すると「ここにあなたが座ることを嫌だと思う。」と言っているように聞こえてしまいます。
とっさに聞かれることの多いこの質問、きちんと答えられるようになるまで、結構時間がかかりました。
私は留学して最初のうちは相手の言葉を聞き取るのに一生けん命で、聞かれた質問に対して、「Yes」「No」と一言返すだけで精いっぱいでした。でも、逆の立場で考えてみると、こちら話しかけたことに対して「はい」「いいえ」とだけ返されたらなんだかとてもぶっきらぼうに聞こえます。
はじめは相手の言葉をおうむ返しするだけでもいいので、「Yes/No」+「アルファ」を心がけましょう。「Do you like tennis? 」「Yes, I like tennis.」「Are you hungry?」「No I’m not hungry.」でもなんでもOKです!
次回は「What’s your hobby? 相手のことをもっと知りたい!」初対面の相手に使える質問をご紹介いたします。
Name | チハル |
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大学在学中に1年間オーストラリアの大学へ留学。その後、英会話学校へ就職し、社会人を経験したのちに再度ワーキングホリデーで渡豪。帰国後、留学カウンセラーとして、たくさんの留学生の応援をしてきました。現在はエストレリータ所属。
留学中に現地で学んだ使える英語表現をご紹介していきたいと思います!みなさんの留学を少しでも楽しいものにできれば嬉しいです!