中国語のニーズが高まってきたことにより、留学人気が急上昇している台湾。治安が良く、学費も1学期8~11万円とリーズナブルであることから、中国本土ではなく台湾を渡航先に選ぶ人が増えています。留学生が一番集まるのは、台湾最大の都市である台北。台北には国立台湾大学、国立台湾師範大など、多くの大学や教育機関が密集しており、公共交通も発達。夜市や国立故宮博物院などの観光スポットも数多く、暮らしやすい環境が整っています。
人口: | 約2305万人 |
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面積: | 約3万6000㎢ |
言語: | 新台湾ドル(台湾元) |
通貨: | なし |
チップの文化: | 原則なし ※特別なことを頼んだときやタクシーなどでは必要な場合も。 |
気候: | 最も寒い月…1月(14~18℃) 最も暖かい月…7月(27~33℃) 南北に細長い台湾本島は、ほぼ中央を通る北回帰線を挟んで、北が亜熱帯気候、南は熱帯気候に分けられます。1年中温暖な気候で、特に5~9月は蒸し蒸しと暑い日が続きます。12~2月でも平均気温14~18℃と温暖ですが、台北では時に10℃以下を記録することがあるため、防寒の用意も欠かせません。 |
複雑な歴史背景を持つ台湾。19世紀末から1945年までは日本が統治をしており、現在でも日本語を話せるお年寄りが存在。その多くが日本に対して、友好的な感覚を抱いています。また、若者の間でも“日本”がブーム。日本のファッションや音楽、漫画やドラマに興味を抱く台湾人は数多く、親日感情はかなり高いお国柄です。また近年の台湾は経済の発展も目覚ましく、2005年には世界一の高層ビル「台北101」が台北にオープン。国全体が活気にあふれており、刺激的な留学生活を送ることができます。
台湾の賃貸アパートには「雅房」と「套房」の二種類があります。「雅房」は、3LDKなどをルームシェアし、シャワー・トイレは共同利用するタイプ。「套房」はトイレ・シャワーが各部屋に付いているタイプ。家賃は「雅房」でNT$4,000~10,000、「套房」でNT$8000~20,000ほどかかります。また、台湾の食料品や外食費は、日本に比べると安め。酒税法の違いから、日本のビールも台湾では安く飲むことができます。バスやタクシーなどの交通機関、公共料金もかなり安く、住みやすい国と言えそうです。
台北での生活費の目安
税率: | 営業税5% |
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ランチ平均: | NT$80~200 |
物価: | 全体的に安め |
家賃目安: | NT$4,000~10,000(3LDKの「雅房」をルームシェアした場合) |
ホームステイの 月家賃: |
NT$5,500~9,200 |
台湾では、大学付属もしくは民間の語学学校で語学を学ぶことができます。大学付属の語学学校は1学期が3カ月単位で、春、夏、秋、冬のどの学期からでも入学することが可能です。民間の語学学校では、特に学期は定められておらず、いつでも好きな時期に入学することができます。ただし長期滞在可能な停留ビザは、民間の語学学校への留学では発給することができません。そのため、90日以上の長期留学を考えている場合は、大学付属の語学学校を選ぶ必要があります。
台湾で学べる中国語は、中華圏の共通語である標準中国語(マンダリン)と繁体字。中国本土では漢字を簡略化した簡体字が使われていますが、基本的に繁体字を勉強すれば簡体字はすぐに理解できるようになります。
台湾は、チャイニーズ・カルチャーの発信地。香港やシンガポールなど、さまざまな国の出身のアーティストたちが、台湾を拠点に活動。台湾のアーティストたちが歌う音楽は、台湾ポップスと呼ばれ、アジア中から注目されています。また、台湾には日本文化を受容してきた背景があり、演歌や流行のポップスなどの日本の音楽も大人気。台湾のアイドルが日本のポップスをカバーしていることもあり、日本人にとっては耳馴染みのよい音楽があふれています。芸術鑑賞をしたいのなら、絶対に外せないのが国立故宮博物院。世界四大博物館のひとつにも数えられており、館内には歴代中国皇帝のコレクションがずらり。収蔵品は約62万点にものぼり、中国芸術文化の真髄に触れることができます。
台湾で最も人気があるスポーツは、プロリーグも存在する野球。台湾はリトルリーグで世界一に輝いたこともあり、野球は国民的スポーツと言えます。しかしながら近年では、ワールド・クラシック・ベースボールや北京五輪などでの台湾代表チームの不振、組織ぐるみの八百長事件などがきっかけとなり、若者の野球離れも進んでいる様子。反対に、人気が急上昇しているのがバスケットボールです。台北では、街や公園、学校など、いたるところにバスケットリングやコートがあり、楽しそうにバスケに興じる若者の姿が見られます。
台湾観光のメインはやはり「食」。台北や高雄などの都市では、ほぼ毎日夜市が開催され、沿道には屋台がびっしり。蚵仔煎(牡蠣のオムレツ)や水煎包(焼き肉まん)などのB級グルメから芒果冰(マンゴーかき氷)などのスイーツまで、ありとあらゆる台湾グルメを満喫できます。熱気ムンムンの夜市でいただく、台湾フードは味も格別。あえてわからないメニューに挑戦してみるのも楽しいものです。また台湾には、美しい自然もいっぱい。森の中をゆっくり散策できる阿里山森林遊楽区、大理石の岩盤をくりぬいた雄大な太魯閣峡谷などは、勉強の合間のリフレッシュにもぴったりです。また台湾の最南端にある墾丁は、台湾屈指のリゾート地。一年を通してマリンスポーツが楽しめるので、滞在中に一度は体験してみるのもいいかもしれません。
台湾は、90日間までの滞在ならビザは不要。しかしながら90日間の査証免除による滞在では延長が認められておらず、長期の留学には停留ビザが必要です。停留ビザによる滞在期間は基本的に60日間ですが、現地での滞在延長や居留証の申請をすることができます。ただし留学生のための停留ビザは、教育部認可の大学付属語学学校でないと発給されないため、90日以上の留学を希望するなら大学付属の語学学校を選ばなくてはいけません。
日本政府は、1972年に中華人民共和国と国交をもったため、台湾の中華民国政とのは正式な国交はありません。日本に台湾の大使館は存在しないので、ビザの申請は台北駐日経済文化代表処で行います。
治安が比較的良いことで知られている台湾ですが、夜市や観光地などではスリの被害も報告されています。人混みに行く際には、気を抜かないことが大切です。滞在中、特に気をつけたいのは、台風の被害。夏から秋にかけての台湾は台風の通り道になっており、暴風雨被害が頻発します。水害、がけ崩れなどで交通路が遮断することもあるので、十分に注意をしておきたいところ。また台湾は衛生上の問題は特にありませんが、水道水は硬度が高く、飲用に適していません。飲み水には、ミネラルウォーターか5分以上煮沸した水を使用しましょう。
緊急時は、警察110、消防・救急車119をコールします。
その他の治安・検疫の情報は『外務省海外安全ホームページ』